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最近、住宅ローンのニュースを目にすることが増えていませんか?
マイナス金利が解除されたことで影響を受けると言われている住宅ローン。
金利情勢が動いている今だからこそ、将来にわたり無理なく返済できる住宅ローン選びを考えましょう。
①住宅ローンの金利は
どうやって決まる?
住宅ローンの金利タイプと金利の関係
住宅ローンの金利タイプには「変動金利型」と「全期間固定金利型」の大きく2種類があります。
変動金利型
金利情勢の変化に伴い
返済の途中でも適用金利が変動します
変動金利型の適用金利は、日本銀行の政策金利の変動の影響を受けます。
- ※当初の一定期間が固定金利で、その期間後はその時点の適用金利(固定金利か変動金利を選択)が見直される「固定金利期間選択型」というタイプもあります。
全期間固定金利型
全期間固定金利型の適用金利は、その時の10年物の国債利回りに影響を受けます。
②マイナス金利解除や
追加利上げに伴う影響は?
住宅ローンの金利推移
下の図は、過去35年間の住宅ローンの金利推移を示したものです。
バブル崩壊から最近までの約30年は、デフレ対策として政策金利が低く抑えられてきたことに伴い、変動金利型の金利も低水準で比較的安定していました。
- ※1 全期間固定金利型(引下げ前)は、2003年9月までは公庫基準金利、翌月以降はフラット35金利(借入期間21年以上、融資率9割以下の最頻金利を、全期間固定金利型(引下げ後)は、全期間固定金利型(引下げ前)からフラット35S等の最大の金利引下げ幅を適用した場合の当初の借入金利)を、変動金利型は主要都市銀行のホームページなどにより集計した金利(中央値)を掲載しています。
- ※2 このグラフは、住宅金融支援機構が各種資料を基に独自にまとめたものであり、将来の金利を予測するものではありません。
金融政策に伴う金利の動き
2024年3月の日本銀行によるマイナス金利政策の解除とその後の追加利上げにより、住宅ローンの変動金利型に影響を及ぼす「政策金利」が約0.5%まで上昇しています。政策金利の上昇に伴い、2025年4月の変動金利型住宅ローンの金利はおおむね0.15%~0.35%上昇しました。
また、全期間固定金利型に影響を及ぼす「長期金利(10年物国債の利回り)」も、2023年頃から上昇しています。
当初金利の比較
- ※全期間固定金利型は、【フラット35】の金利(借入期間21年以上、融資率9割以下の最頻金利に2024年度に最も利用された金利引下げ幅(当初5年間)を適用した場合の当初金利)、変動金利型は主要都市銀行のホームページなどにより集計した金利(中央値)を掲載しています。
住宅ローン金利の今後の動向
今後の住宅ローン金利はどうなるのでしょうか?
【変動金利型】
公益財団法人日本経済研究センターがエコノミスト約40名を対象に実施した「ESPフォーキャスト調査」(2025年6月調査、中央値)によれば、変動金利型のベースとなる政策金利は、現在の約0.5%から2026年6月末までに約0.8%まで上昇する予測が出ており、変動金利型住宅ローンも金利上昇が見込まれます。
【全期間固定金利型】
内閣府公表の2025年1-3月期GDP1次速報を踏まえたシンクタンクの見通しによれば、全期間固定金利型のベースとなる長期金利は、6月2日現在の1.523%から2026年4~6月には1.570%まで上昇する予測が出ており、固定金利型住宅ローンも金利上昇が見込まれます。
- ※この情報は、住宅金融支援機構が各種資料を基にまとめたものであり、将来の金利を予測するものではありません。
③変動金利と固定金利、
どっちを選ぶべき?
金利タイプ別メリットを解説
これまで見てきた「変動金利型」と「全期間固定金利型」をより詳しく見て行きましょう。
変動金利型
変動金利型は将来の市場金利の変動を住宅ローン利用者の金利に反映させるもので、半年に1回金利が見直されるのが一般的です。
メリット借入後に世の中の金利が下降すると、総返済額や毎月返済額の負担が少なくて済む
一般的に全期間固定金利型に比べて金利が低い
デメリット世の中の金利が上昇すると総返済額や毎月返済額の負担が大きくなる
借入時点で返済額が見通せない
なぜ変動金利型の金利は低いの?
変動金利型は、金利が変動する影響(リスク)を
住宅ローン利用者(借り手)が負っているため、
全期間固定金利型よりも金利が低く設定されています。
変動金利型に合っている方の特徴
-
金利が上昇(=返済額の増加)しても問題がない場合
例:家計に余裕がある、十分な資産があるなど
-
直近のうちに支出の減少が見込まれる場合
例:自家用車や奨学金などまとまった支払いが終了し、余力が生まれる予定があるなど
-
返済期間が短い場合
例:返済額が増えても、返済期間が短いため影響が軽微なケースなど
全期間固定金利型
借入時に将来にわたる適用金利と返済額が確定します。
メリット借入後に世の中の金利が上昇しても、総返済額や毎月返済額には影響しない
デメリット世の中の金利が下降したとしても返済額が変わらないため、その恩恵を受けられない
一般的に変動金利型に比べて金利が高い
なぜ全期間固定金利型の金利は高いの?
全期間固定金利型は、金利が変動する影響(リスク)を
金融機関(貸し手)が負っているため、
変動金利型よりも金利が高く設定されています。
全期間固定金利型に合っている方の特徴
-
金利が上昇(=返済額の増加)すると返済が難しくなる場合
例:家計に余裕がない、貯蓄が少ないなど
-
将来的な支出の増加が見込まれる場合
例:教育費等の増加に備え、住宅ローン返済額は固定させておきたいなど
-
住宅ローン返済額を確定させておきたい場合
例:数十年間、金利情勢を気にして生活したくないなど
④住宅ローン選びでは
リスクの考え方がポイント!
住宅ローンを選ぶ際のリスクって?
長期間に渡って返済を続ける住宅ローンは、次の3つのリスクに対応する必要があります。
生命のリスク
返済中に万一のことがあったら
残った家族が心配
保険あり
住宅ローン専用の保険
「団体信用生命保険」があります
火災のリスク
大切なマイホームが
火災になったときが心配
金利変動のリスク
変動金利型の住宅ローンは、返済中に借入金利の見直しがあるため、返済額が増加する可能性があります。
- ※固定金利型の住宅ローンは、返済中に市中金利が下降しても返済額は見直されません。
保険なし
生命のリスクや火災のリスクは保険でカバーできますが、金利変動のリスクは、保険ではカバーできません。
もしも金利が上昇すると返済額はどうなる?
みなさんが特に気になっているのは、もしも変動金利型で返済途中に金利が上がったらどうなるのか、ということではないでしょうか。
住宅ローン金利が途中で上昇した場合の返済額シミュレーションを見てみましょう。
- ※「金利が上昇した場合」は、2年ごとに0.5%ずつ金利が上昇し、7年目以降の金利が2.0%になったと仮定してシミュレーションを行いました。この金利(2.0%)は、2006年10月頃の変動金利型の水準です(主要都市銀行のホームページなどにより集計した金利の中央値)。
- ※()内の数字は、金利が一切変わらない場合との比較です。返済額は5年毎に見直し、1.25倍ルールを適用して試算しました。
- ※住宅金融支援機構が将来の金利予測を行うものではありません。
- ※上記の40年返済・50年返済の記載は、「金利が上昇した場合」と同じ条件のもとシミュレーションしています。
このように返済の途中で金利が上昇した場合を想定し、月々の返済額が増えても家計を圧迫しないか、繰り上げ返済で対応できるかなど、予め確認をしておくことが重要です。なお、住宅金融支援機構が行った調査(※)では変動金利型住宅ローン利用者の約65%の方が「借入金利の上昇」に対し不安を感じていることがわかりました。返済中に変動金利型の借入金利が上昇した場合には、全期間固定金利型に借り換えればよいと考える方もいると思いますが、全期間固定金利型は変動金利型に先行して金利が上昇する可能性があります。借換えのタイミングも慎重に検討する必要があります。
⑤1500人に聞いた
金利タイプ選びの傾向
住宅ローン利用予定者はどう考えている?
今後5年以内に具体的な住宅の取得予定がある住宅ローン利用予定者に対する調査(2024年10月実施)では、2024年7月の日本銀行の金融政策変更による利上げ等を受け、約6割が借入額の減額、固定金利タイプへの見直し、返済期間の短縮など住宅ローン選択に変化があったと回答しています。
住宅ローン選びは慎重に
金利のある世界では、これまで以上に各金利タイプのメリット、デメリット、リスクを十分に理解して、慎重に選ぶことが大切です。
ライフプランにあった住宅ローンでこれからの豊かで安心な人生設計を立てていきましょう。
住宅ローンをシミュレーションしてみましょう

さらに詳しく知りたい方はぜひご視聴ください

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